2023年7月16日
コラム
全人口の内およそ30%が高齢者に該当し、
人口減少が見込まれる日本では、自分が介護する立場になった時、
介護される立場になった時のことを考えて、
より良い環境を整える必要性があるでしょう。
特に、1日の大半を過ごすことになる自宅では、
介護しやすい環境を作りたいですよね。
そこで今回は、介護しやすい家のメリットと
共通するポイント、具体的な例を紹介します。
介護しやすい家のメリットとして、在宅介護でも
利用できるサービスが多くなる点が挙げられます。
具体的には下記のようなサービスが挙げられます。
・訪問介護
・訪問入浴介護
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・夜間対応型訪問介護
・定期巡回サービス
・居宅療養管理指導
・通所介護
これらのサービスを利用することで、
介護者の身体的負担・精神的負担を減らせるだけでなく、
被介護者の精神的負担も軽減します。
また、現代の潮流として、老老介護の増加や
核家族化によって介護者の負担が増えており、
更に介護しやすい家の需要が増加するでしょう。
介護しやすい家を作ることで、住み慣れた家で
安心して安全に暮らせる上に、介護の負担を軽減し、
家族全員が快適に暮らせます。
介護しやすい家を作ると、介護者や被介護者以外の
家族も暮らしやすくなることをご存じでしょうか。
ここでは、家族全員が暮らしやすい
バリアフリー住宅のポイントを3点紹介します。
1.段差をなくす
家の中の段差は、大きな段差はもちろん、
小さなものであってもつまずいたり、車椅子の通行を妨げたりします。
むしろ、小さな段差であるほど認識しにくいため、危険性が増します。
段差をなくすために、低い方の床を高くしたり、
段差解消用の部材を設置したりしてフラットな空間を目指しましょう。
しかし、段差をなくすことが不可能な場合も出てきます。
その場合、段差の部分のみ色を替えることで視覚的に注意しやすくなります。
他にも、足元に明かりを設置するのもおすすめです。
また、段差のない空間は妊婦さんや
小さな子どもにも安全な空間となります。
このように段差をなくすことは、子育てをする方にも、
将来の介護について考える方にもメリットがあります。
2.転倒を予防する
転倒が多い場所として、立ち座りの動作が多い玄関やトイレ、浴室が挙げられます。
また、移動距離が長くなる廊下や階段も転倒が多くなります。
転倒を予防するために、手すりや室内スロープを設けましょう。
3.温度差を極力なくす
室温の急激な変化によって起きるヒートショックを防ぐため、
温度差をなくすことは重要です。
また、温度差が激しいと、生活の快適さが損なわれるばかりでなく、
結露やダニ、カビが発生しやすくなります。
気密性・断熱性の高い家づくりをすることで、
冷暖房設備や換気設備を効率よく使い、
各部屋の温度差をなくすようにしましょう。
先ほどは介護しやすい家に共通するポイントを紹介しましたが、
ここからは具体的な例を4つ紹介します。
1.広めのトイレを寝室のそばに配置する
年齢を重ねるごとに夜間のトイレの回数が多くなります。
暗さによって転倒する可能性が高まる上に、
ヒートショックを防ぐためにも、寝室のそばにトイレを設置しましょう。
また、理想のトイレの広さは、被介護者が座った
車椅子と介護者が入れるスペースがあると良いでしょう。
2.洗面台を高くしすぎない
洗面台は、成人が立って使用するのにベストな高さと、
車椅子に座った方が使用するのにベストな高さは異なります。
成人にとっては低いかもしれませんが、
車椅子での生活を想定して作ることで、
後々のリフォームをしなくて良いだけでなく、
小さい子供や高齢の方も使いやすくなります。
また、洗面台の下のスペースを開けておくことで、
車椅子での使用が楽になったり、椅子に座って洗面台を利用できたりします。
3.リビングやダイニングを集まりやすい空間にする
リビングやダイニングは家族全員が集まる憩いの場であるため、
全員がくつろげる空間を演出しましょう。
特に、テーブルの高さは要注意です。
車椅子のまま入れる高さは約70センチであり、
一般的なテーブルの高さも約70センチです。
しかし、車椅子のタイプによっては入れない可能性もあるため、
高さ調節のできるテーブルを選ぶことで長い期間使用できます。
また、小上がりを作ることで、高齢の方が
過ごしやすくなったり、子供の遊びスペースにもなったりします。
4.廊下の幅を広くし、手すりの設置を予想しておく
誰かに頼れば歩ける間であれば、2人分の幅で十分ですが、
車椅子の方は最低90センチの幅が、
往復するためには150センチの幅が必要です。
また、車椅子の車輪が床を傷つけてしまうため、
丈夫な床材を選びましょう。
他にも、手すりの設置を考えている場合、
手すりの下地をあらかじめ埋め込むことで、後の負担を減らせます。
介護しやすい家は、我が家で安心・安全に暮らせる、
介護の負担を減らし家族が快適に暮らせる、
などのメリットがあります。
段差をなくしたり、温度差を少なくしたりする対策をして、
介護しやすい家づくりを目指しましょう。
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