2025年2月26日
スタッフブログ
みなさん、こんにちは。
MonoHousing早川建設の伊藤です。
2月は完成と構造の2つの内覧会があり、たくさんのお客様をご案内させていただきました。
内覧会というのは、早川建設でお建ていただいている施主様のお家をお客様にご覧いただくイベントです。
どのお家も建っている環境も違いますし、それぞれに施主様の思いや工夫があり、私自身もいくつ拝見させていただいても新しい気付きがあり、勉強になります。
特に構造内覧会は、完成してしまうと壁や天井に隠れて見えなくなってしまうお家の構造が御覧いただける貴重な機会なので、お家を建てられる方みなさんにご覧いただきたいおすすめの内覧会です。
そんな内覧会で、お客様をご案内する際に必ずお見せするのが「間取り図(平面図)」です。
ここはどういう用途の部屋で、広さがこれくらい、こちらが収納になっていまして…などと間取り図をお見せしながら説明するわけです。
私この間取り図が好きでして、実際のお家を見るのももちろんワクワクするのですが、「間取り図」を見るだけでも、この部屋はこんな感じでなどと妄想が膨らみ、しばらく眺めていられるくらい間取り図が好きなのです。
世の中には私と同じように、間取り図を見るだけで心ときめいてしまう嗜好の方が一定数いらっしゃるようで、変わった間取りを集めた本が話題にになったりもしていました。
間取り図好きの例にもれず、子どもの頃は新聞の折込広告に入っている不動産のチラシを見ながらニヤニヤする日々を過ごしておりました。
そんな私の間取り図好きをより強固にした1冊の本があります。
『河童が覗いたヨーロッパ』という本で、確か中学生の頃に買ったように記憶しています。(写真は大人になって買い直したもの)
舞台美術家の妹尾河童さんが、1971年から1972年にかけて文化庁からの研修旅行で1年間ヨーロッパを巡った際の旅行記なのですが、泊まったホテルの客室の平面図が手書きのイラストで描かれていて、これが楽しい!
平面図以外にも手書きのパースが書かれた部屋もあり、イメージが広がります。
なんと文字までもすべて手書きで、本当に手書きの旅行記を見ているようです。
ホテルの部屋なので、ほぼワンルームで家の間取りのように複雑なものではないのですが、手書きだからなのか、平面の図から部屋の空気感が立ち上ってくるようです。
屋根裏部屋やクセのある部屋が多く、間取りとそこに添えられた文章から、まるで自分も旅行しているかのような気持ちで読み進めたことを思い出します。
好奇心旺盛でなんにでも興味をもって眺める河童さんの視点は、ユーモアに溢れた文章にも表れていて、自分が旅行が好きになったきかっけでもあるように思います。
ホテルの部屋以外にも、各国の鉄道の客室や乗務員の制服、北と南の窓の大きさの違いなども考察とともに紹介されていて、どれも興味深いです。
「ピサの斜塔には手すりがない」という章では、なぜピサの斜塔に手すりがないのかを近くのお土産物屋のおじさんに聞いた話が書かれていて、日本とヨーロッパの感覚の違いになるほどと思った
ものでした。
もともと間取り図が好きだったことに加えて、この本の影響で部屋を俯瞰で見ることの楽しさを知ったような気がします。
妹尾河童さんはこの本以外にもたくさんの紀行本やスケッチ・エッセイ本があって、どれも楽しく読んだことのない方にはおすすめですよ。